よく「うちの子は、明日は学校に行く!と言っているので、本人も本当は学校に行きたいと思っていると思うのですが、でもどうも朝になると全然起きてこなくて、無理に起こしに行くと怒り出すのです…何を考えているのかわかりません」といったご相談をいただきます。
確かに、ご本人が「行く!」と言っていたのですから、行くのだろうと思うことは自然ですが、そう言っていたのに行かなくなるのはどうかと思うという感情を持たれることもごく自然なことだと思います。
だから、何を考えているのかわからない…となられることも理解はできます。
でも、もっとよく考えていただきたいのですが、お子様がその様な行動を取るように育ててこられたのでしょうか?
きっとそんなことはないかと思います。
では、親御さんから見ても理解のできない行動をとってしまっているお子様が、本当に自らが望んでその行動を行っているのでしょうか?
きっとお子様にとっても本意ではない行動を行ってしまっていて、ご自身でも自分が取っている態度や行動に対して、戸惑っていらっしゃるのかもしれません。
あなたもお子様と同じ様に、自身の意志とは違った行動を取ってしまったことはあることかと思います。
そして、そのような状況の時のお子様の様子を思い出していただきたいのですが、きっと多くのお子様は布団の中から出てこれなかったり、お腹が痛くなったり、体調不良を原因にされていませんでしょうか?
それも仮病なのでしょうか?自分はそうは思いません。
きっと、ご本人も行くと言っていた自分を許せなかったり(嘘つきになる)、気持ちはあるのに自分の身体をコントロールすることができないもどかしさであったり、不安やプレッシャーからお腹が痛くなったり、体調不良を起こしているのではないでしょうか?
これらの行動はすべてお子様からのSOSなのではないでしょうか?
だから学校が休みになる前日の夜などは、特に元気に過ごせているのではないでしょうか?その理由は「誰も学校に行っていない時間」であったり、誰もが自由に過ごしている時間だから「学校に行けていない」という苦しみから開放されているのではないでしょうか?
また朝に起きて来られない理由には、本当に精神的な部分から体調不良を起こしている場合もあるかと思います。
もしも、そうでなくてもその時間を迎えるのが辛くて、寝ていることでその時間をやり過ごしたいと思っている場合もあります。その気持が強くなるとわざと昼夜逆転した生活をすることで、本来起きなければならない時間には起きれない時間として過ぎてしまって欲しいと思った行動の場合もあります。
また、勉強もしないでゲームや動画ばかり見ていることも、ゲームや動画を見ている時間は、現実を受け止めなくても済む時間にもなり、不安やプレッシャーを感じたくないあまりに、現実逃避ができる時間としてやりたくもないのにやり続けている場合もあるのです。
だから「明日は学校に行く!」や「新学期から学校に行く!」といったことを言ってしまうのも、家族のためにそうした方がいい(喜ぶ)と思っているからこその言動であったり、そうしないとダメなんだ!と思い込んでいる場合もあるようです。
その時そう言った気持ちに嘘ではないのだと思います。
ということは、恐怖や焦り、孤独、不安といった様々な感情をひとりで向き合い、日々必死に戦っているのではないのかな?って思っています。
だから、この様な行動を繰り返してしまう時には、何をするでもなく「もう頑張らなくてもいいんだよ!」と声をかけてあげてみて下さい。
最終更新日:2023/03/17(金)11:39